----------------勢山系(Ｓｅｙａｍａ Ｓｔｒａｉｎ)-----------------
大阪で生まれた日本を代表する銘系統”勢山系”。
The fountainhead of Seyama Strain is Osaka Area, Japan.
大阪の難しいレースコースが産んだ銘系統”勢山系”。
”勢山系”を駆使して、日本の各地で成功を収めておられる愛鳩家がおられますが、
このページでは、勢山系のヒストリーと共に関西(大阪）で関係された愛鳩家について
紹介します。
勢山系の歴史は、大正８年陸軍軍用鳩としてフランスからクレルカン中尉が携行した鳩の
１羽がその始祖であって、その後、民間鳩界発展のため、特別の配慮をもって、払下げられた
優秀鳩の１羽が、当時の大阪好鳩会会長、故・勢山庄太郎氏の手腕により、実を結び、
当時としては、画期的な大記録、釜山ー大阪間６００Ｋｍ（海上３００Ｋｍ）レースに優勝し、以後引き続きレースに好成績を収め、一躍その名が宣伝され、基礎が確立された。
氏の没後、娘婿の、故・服部愛之助氏が全鳩を継承され、五島列島福江７００Ｋｍレースに優勝し、幾多の優秀な成果を収められたのであるが、その後、太平洋戦争も日に日に
激烈となり、空襲の危険にさらされることに至り、そこで、同氏は保存のため、疎開先の
故.細川氏に全鳩（５４羽）を譲渡され、故・細川氏が勢山系鳩を継承することになる。
そして、故・細川氏が偉大なる伝説の銘鳩”２５３号”を生むことになる。
銘鳩”２５３号”は、昭和27年に戦後初の７００Ｋｍ(秋田ー大阪）当日帰還し、
農林大臣杯レースに全国優勝を獲得。（このレースは、午後から雨で、雨中６時間～７時間飛翔帰還したものである。また、その直子が２９年同農林大臣杯に近畿優勝した（５４羽中、当日帰還鳩はこの１羽のみ）・このレースも午後から雨で、雨中６時間～７時間飛翔帰還したものである。
そして、細川氏の没後、大阪府、茨木市の故・山下鉄夫氏に、細川氏の勢山系が
受け継がれ、故・山下鉄夫氏の鳩舎でも勢山系の優秀性が遺憾なく発揮され
数多くの長距離レースで優勝、入賞鳩が輩出された。
そして、生前に故・山下鉄夫氏と約13年もの間、親交のあった恵下 猛氏、
現在、恵下 猛氏が、山下鉄夫氏から教わったこの貴重な勢山系を大切に
継承保存している。故・山下鉄夫氏と親交の深さを物語っている一例として、
恵下 猛氏作出の日本選手権、福山 ６００Ｋｍ全国総合優勝、農林大臣杯受賞の
銘鳩"ブライト・キング号”の両親は、故・山下鉄夫氏の作出鳩です。
＊Champion"ブライト・キング号”恵下 猛作出：
９７年度日本選手権合同鳩舎委託レースで
日本選手権、福山 ６００Ｋｍ全国総合優勝、農林大臣杯受賞.
Ch."ブライト・キング号”の両親は、故・山下鉄夫作、
勢山系の体型上の特徴は、中型か小型であった。羽色は、黒灰か白灰色の
２種があり、後頭部がよく発達しており、翼は、巾広く、かつ、重なりもよい。
しっかりした尾翼と共によく均整がとれている。筋肉もよく引き締まり、肥満体の
ものはない。
性質は、いささか神経質のものもあるが、非常に飼い易い。粗管理で
充分機能を発揮し、雨天に強い系統であると同時に、
海上レースも果敢に横断する勇気、および、高い山々を飛び越える
強い系統でもあります。
